まちづくりにおける適正な規制とは?用途地域等の都市計画の適正な見直しについて 令和6年6月議会一般質問②-①
こんにちは。
西宮市議会議員の坂本龍佑です。
7月4日をもって、本会議を終え、ひと段落といったところです。
都知事選が終わりましたね。小池さんが三選となった一方で、石丸さんが2位となり、既存政党への都民の信頼が落ちていることが露わとなる結果でしたね。
また、今後ますますネット選挙、SNS選挙の必要性が増していくことを考えると、私自身の広報のあり方も考えないといけないなと思っています。
こんなことやってみれば?というのがあれば、皆様のアドバイスを頂ければと思っているところです。
さて、前回に引き続き一般質問の報告です。
今回は、用途地域等都市計画の適正な見直しについてということで、一般質問をしました。
動画もアップロードしておりますので、併せてご覧ください。
初めに申し上げますが、かなり専門的な内容ですので、今回のブログでは都市計画、用途地域について報告した上で、次回以降で具体的な質問内容について報告したいと思います。
私は前職が不動産開発会社であったことや不動産業を営んでいることもあり、宅地建物取引士を所有しております。また、そういった背景から、他の人より少しだけ都市計画法や建築基準法(建築士ではありませんが)等に詳しいと自負しております。
そういう観点で見ていると、、
西宮市の都市計画や用途地域って結構??なところがあるんです。
でもそれって市民生活に関係ないし、議員の仕事じゃないんじゃない?
って思った方もいらっしゃるかと思います。
しかし!
皆様が住んでいる戸建もマンションも、働いている飲食店や工場も全てこのような規制をクリアした上で建てられています。
そうやって、西宮がどういうまちの景観であるべきかということの一番大きな要素が都市計画であり、用途地域です。
よくあるマンション開発や老人ホームなどもこれらの法規制を守った上で、計画されているものです。
しかし、いつの時代も不動産開発には、反対運動が付きまといます。
私は以前この事業者側であったということもあり、そのような建設反対運動に対して、主張に相当の理がない限り、積極的に応援することはできないと考えております。(事業者との対話については応援します)
なぜなら、事業者は様々な法規制を調査した上で、それをクリアした建物を計画し、建築費や販売管理費、測量費、広告費などを見積もった後に、それらを逆算して土地を購入しております。
それが、反対運動によって、建築ができないなんてことになれば、法律を遵守しているのにも関わらず、反対運動によって、その権利が守られないということになるからです。
積水ハウスの国立市におけるマンションプロジェクトにおいて、富士山が見えなくなるという理由で、反対運動を行っていたことを受け、建物がほぼほぼ竣工状態にあるにも関わらず、解体が決定されたというニュースがありました。↓
https://news.yahoo.co.jp/articles/70c803849797be050ff57a0b889d2e8f9e9164ca
もちろん街の景観を維持することはまちづくりにおいても大変重要なことです。
しかし、事業者の視点で言うと、なんの法規制の違反もしていないのに、反対運動によって建物の高さが制限されたり、容積率が消化できず、売り上げが確保できない。
ということになります。
これをラーメン店に置き換えると、1000円で売れると思っていたラーメンが、突然隣で餃子を食べていたお客さんの反対によって、800円で販売しろ!と言われるようなもんです。
ラーメン店の店主からすれば、1000円じゃないと採算が取れません。
しかもこのラーメンはなんの違法性もなく作られ、提供されているのに、反対運動に合うわけです。
もちろん反対運動は主張として行っていただけばいいのですが、これによって、建築を行なった事業者が、悪者かというとそんなことはありませんし、反対運動によって、実際に建築されないと言うことになると、事業への反対リスクを見込んだ上で数百億円の投資をしなければならないということになり、大きな問題です。
では、どうあるべきなのか。
これが、
都市計画や地区計画によって、事前にルールを定めておくべき。
ということなのです。
簡単に都市計画について説明すると、都市計画法に基づいて、都市計画図が作成され、都市計画道路や都市計画公園などが整備されています。
最近は学校についても都市計画の中に組み込まれるようになりました。
要は、都市計画において、街の大枠が決められているということです。
そして、その大枠として、都市計画区域が定められ、市街化区域が定められ、用途地域が定められていくということです。
下の船橋市が掲載しているの図がわかりやすかったので、拝借して転載させていただきます。
西宮市は、全ての地域が都市計画区域に定められております。
そして、ほとんどの方が住んでいるのは市街化区域内だと認識してもらって、概ね間違い無いと思います。
その市街化区域の中で、用途地域というものが定められております。
この用途地域は、住居系や商業系、工業系など全部で13種類あり、それぞれの地域にあった指定がされております。
こうやって、大阪の梅田に戸建がなかったり、住宅街にオフィスが作られないように規制されているということです。
そりゃそうなんですが、どうしてもこの規制が現在の街並みに合っていないということも時として起こりうるのです。
だから、自分の家の前にマンションが建つことに反対したり、工場が建つことに反対したりすることになるわけです。
じゃー用途地域で定められている規制よりももっと厳しい規制を独自にすればいいじゃないか!
というのが、地区計画です。
地区計画は用途地域を補完する役割として、住民が主体となって定めることができるもので、西宮市内でも38の指定があります。(詳細はリンクから)
https://www.nishi.or.jp/kotsu/toshikeikaku/nishinomiya_toshi/seigen/chikukeikaku-seigen.html
こうやって、地区計画を定めることによって、都市計画で定められた用途地域の規制よりもさらに厳しい規制を作り上げることで、街の景観を守ることができるわけです。
これが、事前にルールを定めておくべきだということなのです。
国立市の事例をそこまで詳細に把握しているわけではありませんが、本来、商店街の方がやるべきだったのは、事前に地区計画を定め、高さを制限したり、建物の大きさを制限したりしておくということですね。
それをせずに、マンションを建てた事業者がさも法律違反を犯したかのような論調になっているのは、やっぱりおかしいなと思うわけです。
当然、そういった地域の意向がある場合、市はそのサポートをしてくれます。
そうやって、誰もが望む街を作っていくことが大切なんですね。
ただし、地区計画には、同様に問題もあります。
それは、用途地域で定められた以上の厳しい制限を課すわけですから、土地の評価、土地の価値は基本的に下落するということです。
そのため、大規模な土地を所有している地主さんの権利を侵害しないような配慮が必要です。
また、西宮市で現在起こっていることとしては、過去に作った地区計画が時代に合わなくなってきたものの、誰もそれを主体的に見直すことができないという問題です。
あくまでも住民主体であるという地区計画の問題点についても理解した上で、地域が望む街づくりが実現していくといいですね。
ということで、今日は長々と都市計画や地区計画について書きました。
ほとんど趣味の領域ですね。
全くもって、一般質問の報告になっていないのですが、次回以降でこの都市計画の知識を踏まえた一般質問の報告をさせていただきたいと思います。
一般質問の内容としては、相当珍しい着眼点じゃないかなと自負しておりますので、楽しみにしてください。
最後まで読んでいただいてありがとうございました!
“まちづくりにおける適正な規制とは?用途地域等の都市計画の適正な見直しについて 令和6年6月議会一般質問②-①” に対して2件のコメントがあります。