中津浜線の用途地域はどうあるべきか。用途地域等の都市計画の適正な見直しについて 令和6年6月議会一般質問②-②
こんにちは。
先週は会派で視察に行ってきました。
北九州市と飯塚市という福岡県の街を訪れ、北九州市では水道水で日本酒を作る事業や私道における水道管の普及について学び、飯塚市では居住誘導地域について学び、大変実りの多い視察となりました。
さて、今回は一般質問の2項目である、用途地域等の都市計画の適正な見直しについてということで、用途地域のお話の第2回目です。
前提となる用途地域、都市計画そのものの考え方につきましては、先日のブログに書いておりますので、ご参照ください。
動画もアップロードしておりますので、併せてご覧ください。
さて、用途地域の見直しということですが、西宮市の用途地域は基本的に5年に1度見直されることになっております。
昨年度がその5年に1回の見直し時期でした。↓の内容が、昨年の都市計画審議会での資料です。
その用途地域の見直しの基本的な理念や方針は、住環境の保全や土地利用の誘導など共感することが多くなっております。
ただ、この方針の留意事項に規制の緩和は、原則行わないものとしますと書いてあるんです。
私は常々「街は生き物だ」と考えており、時代と共に必要とされる機能が変わっていくことから、規制緩和の可能性は常に検討に値するものと考えております。
そもそも都市計画法による用途地域は昭和48年に当初指定がありました。
当時の人口は39万人、世帯数が12万世帯です。
それが現在では約48万人、約23万世帯です。
そう考えると、当時用途地域を定めた時の西宮と現在の西宮は全然違う街になっているのです。
私は、無秩序な開発はあってはならないと思いますが、いよいよ西宮市でも人口減少が始まったというときに、適切な用途地域等の規制緩和によって、社会増を目指していくことは非常に有効な手段であると考えております。
このように街が変わっていく中で、用途地域図と睨めっこをしていると、ここの制限っておかしくないか??
と思うところをいくつか発見することができました。
用途地域図を見たことがないという方は、是非自分の自宅がどういう規制になっているエリアなのか確認してみてください!
これをみてもピンとこないかもしれませんが、こうやって様々な制限が定められて、街が出来上がっていっているんだということを知ってもらえると嬉しいです。
そんな中まず目をつけたのが、中津浜線です。
中津浜線は、甲子園浜から宝塚市までを縦断する基幹道路で、西宮市民なら知らない人は少ないのではないでしょうか。
その用途地域図を見ていると、甲子園浜から山手幹線の大屋町あたりまでは、沿道による画一的な用途地域にはなっておらず、第一種中高層住居、第一種住居、近隣商業、準工業地域などの指定となっております。
そして、大屋町のあたりの名神高速をくぐったあたりからは、道路境界から30mについては、ほとんどが第二種中高層住居専用地域です。
しかし、宝塚市に入って仁川駅を超えたあたりからの用途地域を確認すると、逆瀬川駅のあたりまで、道路境界から30mについては、第一種住居地域に指定されていることがわかりました。
兵庫県全体の用途地域を考えた時に、同じ沿道でありながら、片方は第一種住居地域で、片方は第二種中高層住居専用地域であるということになります。
さらに、宝塚市に入ってからは全て片側一車線ですが、大屋町から171号線との結節点まで、片側二車線なのです。
特に林田町や高木東町のあたりには、大型の飲食店や大型スーパー、バッティングセンターなどが立ち並んでおり、規制との整合性も疑われます。
なお、現在の規制である第二種中高層住居専用地域では、延床1500㎡までの商業施設は建てられますが、それ以上については建築することができません。
そういう意味では、現存しているイオンやバッティングセンターは既存不適格物件である可能性が高く、建て替えることができないことになると考えられます。
このような事情を加味すると、第一種住居地域のようなもう少し規模の大きな商業施設が建てられる規制というのが、適切ではないかと考えます。
余談ですが、既存不適格物件とは、違法建築ではなく、建築当時の規制はクリアしていたものの、時代とともに規制が変化したことによって、現在の規制では、適格な建物ではないということで、このような建築物は国内にたくさんあります。
もちろん、建て替えられる必要がないのであれば問題ないのですが、老朽化した場合に、無理に利用し続けなければならないということになります。
これらを踏まえて質問しました。
坂本
中津浜線の用途地域の多くは第二種中高層住居専用地域となっておりますが、宝塚市に入ると第一種住居地域となります。西宮市から宝塚市を貫く南北の基幹道路であり、土地利用の実態を踏まえるとその規制を揃え、第一種住居地域に緩和するべきと考えますが、市の見解をお聞かせください。
市の回答
中津浜線沿道に生活利便施設が立地することが好ましいと考えられます。今後、沿道の土地利用状況や他の幹線道路沿いの用途地域を調査し、住環境に配慮して用途地域の見直しを検討します。
ということでした。
自分で言うのもなんですが、これって結構すごいことなんです。(自分で言うなというツッコミは受け付けません)
西宮市では「原則」用途地域の緩和を行わないと言いつつ、見直しを検討すると言っているからです。
ただ、通ったことがある方はわかると思うのですが、片側二車線の幹線道路で、小規模な商業施設しか建たないというのは、どう考えても変です。
ちなみに、山手幹線沿いや臨港線沿いにも、第二種中高層住居専用地域に指定されているエリアがありますが、これも変だと思います。
片側二車線で、かなりの通行量があるのに、沿道ごとの用途地域ではなく、地域ごとの用途地域になっているところについては、本当に実態に合っているのかを見直すべきだと考えております。
都市計画道路のように拡幅された道路の沿道では、用途地域を見直さないと、昭和48年の都市計画道路が開通していないときと同じ用途地域になっているということも多々あります。
だからこそ、緩和も含めて時代時代にあった用途地域になっているのかを逐一見直して欲しいと思っています。
とはいえ、見直しを行うのは、あと5年も先の話です。
正直そんな悠長なことを言わないで今すぐ見直ししてもらいたいと言うのが本音なのですが、この結果を見るのは、次の市議会議員選挙が終わってからになりそうです。
その時に、これは僕が提案したんだって胸を張って言いたいものですね。
今後の都市計画部、都市計画審議会の動向に期待です。
今回は、中津浜線の用途地域の緩和についてのブログでした。
次回以降は、都市計画の見直しのあと二つの項目についての報告をしたいと思います!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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