西宮市の財政ってどうなの?⑥ 令和6年度決算を踏まえて収支が改善!?
久しぶりになりました。
西宮市の財政ってどうなの?シリーズの第6回です。
今回は、令和6年度決算の結果を踏まえての報告です。
まずは、決算の概要はこちら。↓
https://www.nishi.or.jp/shisei/zaiseijoho/kessan/R6_kessan_gaiyou.files/R6_kessan_gaiyou2.pdf
10月25日の市政ニュースにも取り上げられているように、7年連続の実質赤字が続いております。

一般的に企業の業績をみる時に、2年連続赤字になると、金融機関からの融資の難易度はかなり高くなります。それが、7年連続実質的な赤字となれば、なにかが根本的に間違っていると考えるのが自然でしょう。
とはいえ、令和6年度決算においては、元々、45.5億円程度の赤字になる見通しでしたが、14.9億円の赤字にとどまりました。
簡単にいうと、思ったよりも赤字幅というのは小さかったということですね。
非常に大事なのが、ここからです。
この要因が財政構造改善の取り組みによる成果なのか。(内部努力)
それとも市税収入の伸び、交付金の増加による伸びなのか。(外部要因)
これに対して、10/25の市政ニュースでは次のような記載があります。

これを見た時に、皆様はどのような印象を持ちましたか?
市の内部努力によって、急激に市の財政見通しは改善したんだな!
って思いませんでしたか?
財政構造改善の取り組みを実施しなければ、市の貯金はR9年度には底をついていたのに、最新の見通しではR11年度に160億円もあるんですもん。
いやいやそんなわけないでしょ!!
というのが私の意見です。
財政構造改善実施計画の進捗状況が9月11日に報告されており、効果額を示したものが、次の資料です。

要は、R6年度の収支改善は18.9億円の財政効果を見込んでいたものに対して、19.9億円だったということです。
つまり、約30億円の収支改善のうち、財政構造改善によって計画以上に改善したのは、約1億円であり、今回収支見通しが改善した理由の大半はインフレによる市民税、固定資産税の増収や県税交付金の増加によるものと結論づけることができます。
次に考えてもらいたいのはこちらです。
外部要因によってもたらされた収支見込みの改善を新たな政策の原資とすることはできるでしょうか?
・所得が増える→市民税収が伸びる。
・土地、建物の価格が上がる→固定資産税収が伸びる。
・消費が増加する→消費税収が増える。
このような現象をインフレと呼びます。そしてインフレによって歳入(収入)が増加します。
では、次のような行政が発注するものは、高くなるでしょうか。安くなるでしょうか。
・公共工事
・保育園の運営費
・職員の給料
・ゴミの収集費
当然、高くなりますね。ということは、歳出(支出)も増加することになるわけです。
以上のことを踏まえると、
今回の西宮市の歳入が増えたのは、同時に歳出が増えることを意味しており、新たな政策の原資とすることは、慎重に考える必要がある
と言うことがわかります。
そして、今回示された子供医療費の完全無償化は、年間約6億円の予算が必要です。
他の政策に費やす予算が100万円、200万円であっても捻出できないと議会で答弁しておきながら、6億円はポーンと出せると言うことです。しかも補正予算です。
その辺の論点については、是非この動画を見ていただけるといいんじゃないかと思います。
ということで、市の財政状況は危機を脱したわけでもなく、市の財政構造改善の踏み込みが不十分であるという内容の報告となりました。
最後に大事なことですが、私は決して財政健全化だけを訴えているわけではありません。
必要なところに必要な予算を回すためには、
やめるべきものをやめていかないといけない。
必要性の低いものについては見直しをかけていかないといけない。
という立場です。
我々啓誠会にとっては、子供医療費の完全無償化よりも必要性の高いと思われる予算があったため、今回反対という結論に至りましたが、どんなことに予算を投入するべきかと言う点については、是非他のブログやSNS等をご覧いただけると嬉しく思います。
最後まで読んでいただきましてありがとうございました!
