高所得者を税で支える西宮市の「負担緩和減免」は即刻廃止すべき 令和7年9月議会 一般質問⑤
こんにちは。
西宮市議会議員の坂本龍佑です。
今回は、令和7年9月議会の一般質問の報告です。
国民健康保険の税繰入の問題点について指摘したという難しいテーマですが、社会保険加入者と国民健康保険加入者の制度としての問題点についてもご理解いただけるようにお伝えしていきたいと思います。
目次
- 西宮市だけが突出している国保への一般財源投入
- 年収1,100万円でも減免?制度の異常性
- 逆転する再分配 ― 低所得者の税で高所得者を支える構造
- 「段階的廃止」という名の先延ばし
- 激変緩和措置が単年度制を無効化する
- 浮く最大6億円の財源はどこへ?
- 今こそ制度の正常化を
1.西宮市だけが突出している国保への一般財源投入
西宮市の国民健康保険は、兵庫県下で保険料水準の統一が進む中でも、突出して多額の一般財源を繰り入れています。
宝塚市、神戸市、姫路市、伊丹市などは、国保会計への一般財源繰入を行っていません。
しかし西宮市は、明石市と比較しても約3倍規模の繰入を実施しています。
これは偶然ではありません。
理由は「負担緩和減免」という制度にあります。
2.年収1,100万円でも減免?制度の異常性
西宮市の負担緩和減免は、所得割が課される世帯に対し、1人あたり一定額を減免する制度です。
驚くべきことに、
- 単身世帯で年収約1,100万円
- 子ども2人世帯で年収約800万円
の世帯まで対象となります。
これはもはや「低所得者支援」ではありません。
明らかに高所得層まで税で保険料を軽減する制度です。
全国的に見ても、ここまで広範囲に高所得者を対象とする自治体はほとんどありません。
3.逆転する再分配 ― 低所得者の税で高所得者を支える構造
本来、国民健康保険は加入者負担が原則です。
しかし西宮市では、低所得世帯が納めた税金が、高所得世帯の保険料軽減に使われています。
これは再分配機能の逆転です。
「弱い人を支える」制度であるはずが、
実質的に「高所得者を支える」構造になっている。
これが公平な制度と言えるでしょうか。
4.「段階的廃止」という名の先延ばし
市は令和12年度までの段階的廃止を予定しています。
しかし、そもそも制度自体が不適切であるなら、
なぜ即時廃止しないのでしょうか。
「市民への影響」を理由に先延ばしを続ける姿勢は、
問題を直視していない証拠です。
制度の異常性を認識しながら、時間で解決しようとする姿勢は無責任です。
5.激変緩和措置が単年度制を無効化する
激変緩和が「次の施策までの暫定措置」であれば理解できます。
しかし、ただ徐々に減らしていくだけならどうでしょうか。
それは支出を歪め、単年度制による必要性評価を不可能にします。
本来、予算は毎年その必要性を厳格に審議するものです。
激変緩和は、その評価機能を事実上無効化しています。
6.浮く最大6億円の財源はどこへ?
負担緩和減免を廃止すれば、最大6億円超の財源が生まれます。
しかし市は、その財源を積極的に新規施策へ振り向ける考えを示していません。
せっかく生まれる一般財源を、
- 財政構造改善の名目で吸収する
- 既存事業に埋没させる
これでは何の改革にもなりません。
私は、この財源を
- 失業支援の強化
- 転職支援・再就職支援
- 低所得世帯支援の拡充
に充てるべきだと考えます。
7.今こそ制度の正常化を
西宮市の負担緩和減免は、
- 全国的にも例外的
- 再分配の逆転構造
- 財政の透明性を損なう制度
です。
「保険料が特別安いわけではない」という議論は論点のすり替えです。
問題は金額ではなく、制度の妥当性です。
税で高所得者を支える仕組みを残す理由はありません。
制度は即時正常化し、
浮いた財源は市民の未来に投資する。
それが政治の責任です。
今回の問題提起を行ったことが、改善にはつながらなかったものの、公平で納得感のある税負担、社会保険料負担こそが、政治への信頼につながると思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました!

