JRの新駅の計画と今後の西宮のまちづくりについて
こんにちは。
西宮市議会議員の坂本龍佑です。
今回は、「JR西宮駅とJR甲子園口駅の間への新駅設置」
について、6月に議会で報告された内容をもとにお伝えします。
ただ、今回の話で本当に重要なのは新駅そのものだけではありません。
森永乳業近畿工場などがあった約12haもの土地をどう活用し、西宮北口や周辺地域とどうつないでいくのか。
今後数十年の西宮のまちづくりにも関わる、大きなプロジェクトだと思っています。
報道機関でも色んな記事が出ておりますが、事実ベースでどのような検討がされているのか、私が議員としてどのようなまちづくりを進めてもらいたいと思っているのか、報告していきたいと思います。
目次
- 約12haの工場跡地で何が始まる?
- JR西宮―甲子園口間に「新駅」を検討
- 新駅だけではない。「南北の分断」を解消できる
- どんな街をつくろうとしているのか?
- 新駅を設置すべき!
- 西宮北口から新駅までを一つの都市拠点に
- まとめ―西宮の次の50年につながる開発を
約12haの工場跡地で何が始まる?
今回の対象は、津門飯田町・甲子園口6丁目にある森永乳業近畿工場などの跡地です。

北側をJR神戸線、南側を国道2号、西側を名神高速道路、東側を中津浜線に囲まれたエリアで、
面積は約12ha(12万㎡)。
しかも、阪急西宮北口駅から直線距離で約900mという非常に恵まれた場所です。
森永乳業近畿工場をはじめ、周辺の工場や物流施設が相次いで操業を終了したことで、この大規模な土地の利用転換が進められています。
令和7年2月には西宮市と土地所有者である大和ハウス工業による「まちづくり協議会」が設立され、その後JR西日本も協議に参加。
令和8年6月には、
「津門飯田町外工場等跡地 まちづくり方針vol.1」
が公表されました。資料は↓
https://sakamotoryusuke.com/wp-content/uploads/2026/08/d8d8b2f4187c45cb4e9b7961d8151f8c.pdf
つまり、まだ具体的な施設や開発内容が決まったわけではなく、現在はまちづくりの大きな方向性が示された段階です。

上記のように、スケジュールが示されていおり、これから検討が進められていく予定です。
JR西宮―甲子園口間に「新駅」を検討
その中でも特に注目されているのが、
JR東海道本線への新駅設置です。
JR西宮駅―甲子園口駅間は約2.5kmあり、西宮市内のJR東海道本線では最も駅間距離が長い区間です。
今回の開発区域は、ちょうどその中間付近に位置します。
西宮市とJR西日本は令和7年3月に「まちづくりに関する包括連携協定」を締結しており、
「市南部地域におけるJR新駅設置や歩行者・自転車横断通路設置の可能性検討」
することが、正式に連携項目に入っています。
ですので、単なるアイデアではなく、西宮市・土地所有者・JR西日本が参加して検討しているプロジェクトです。
ただし、ここは重要ですが、
現時点で新駅の設置が決定したわけではありません。
今後、利用者数や費用負担、事業性などを検討していくことになります。
新駅だけではない。「南北の分断」を解消できる
私は、新駅と同じくらい重要なのが、
「JRによる南北の分断をどう解消するか」
だと思っています。
この周辺では、西側の今津西線(今津駅の北側の道)から東側の甲子園口5丁目横断地下道まで、約1.4kmにわたって歩行者などが安全にJRを横断できる道路がありません。
新駅と一体になった自由通路が整備されれば、
新駅は電車に乗るためだけではなく、街の南北をつなぐ都市インフラになります。
歩行者や自転車でJRを越えやすくなれば、周辺地域の移動そのものが大きく変わります。
どんな街をつくろうとしているのか?
今回の基本方針では、
「GREENを軸に、人・暮らし・活動が重層する都市空間へ」
という考え方が示されています。

住宅だけではなく、商業、業務、教育、医療、研究開発など、様々な機能を組み合わせることが想定されています。
さらに、都市公園と民有地を組み合わせた大規模な「シンボル広場」も検討されています。
私はこの方向性は非常に重要だと思っています。
西宮はこれまで「住みたい街」として評価されてきました。
これから人口減少社会に入るからこそ、
「住みたい街」から「住みたい・働きたい街」へ。
企業やオフィス、研究開発拠点など、西宮で働く人を増やす機能も積極的に取り入れるべきだと思います。
ただ、大和ハウス工業の所有する民有地であることから、事業採算が取れる開発であるという前提があり、西宮市の自由に開発ができるわけではないということには留意する必要があると思います。
新駅を設置すべき!
ここからは私の意見です。
私は、
この12haを本気で西宮の新たな都市拠点にするのであれば、新駅設置を前提に計画を検討すべきだと思っています。
もちろん、駅をつくればいいという単純な話ではありません。
・建設費はいくらなのか。
・西宮市はいくら負担するのか。
・利用者はどれくらい見込めるのか。
・既存のJR西宮駅や甲子園口駅への影響はどうなのか。
こうした数字は徹底的に検証する必要があります。
しかし、12haもの土地を一体的に開発できる機会はそうありません。
一度開発してしまえば、
「10年後にやっぱり駅をつくろう」
ということは簡単ではありません。
だからこそ今、駅・自由通路・道路・公園・建物を一体として考えるべきだと思います。
また、この地域は都市計画上、工業地域に指定されておりますが、2号線とJRの間という利便性の高い地域を工場にしておくというのは、現在の西宮の街づくりを考えた時に、合理的とは言えません。
また、大和ハウス工業は森永乳業跡地を購入した際には、物流倉庫を計画していました。
私は物流倉庫や工場については、臨海部に集約するべきと考えており、この地域には、駅を核とした、住宅や生活利便施設、公園整備などをすることが望ましいと考えています。
そういう意味では、コストとのバランスを取ることは重要ですが、都市計画の手続きも含めて、容積緩和も含めた住宅開発が可能な用途地域にすることで、空地を生み出し、公共広場を整備する方針を支持して推進していきたいと思っています。
西宮北口から新駅までを一つの都市拠点に
そして、私が特に重要だと思っているのが、
西宮北口との連携です。
対象地は西宮北口駅から直線距離で約900m。
現在の西宮北口は、阪急西宮ガーデンズや県立芸術文化センターなどを中心に、西宮を代表する都市拠点となっています。
今回の土地を全く別の街として開発するのではなく、
「西宮北口という都市核を南東方向へ拡張する」
という発想を持つべきです。
新駅の設置と、JRを越えて南北の移動も改善する。
そうすれば、阪急とJRという二つの鉄道を軸とした、これまでにない都市拠点を形成できる可能性があります。
また、開発区域の中心には魅力的な公園・公共空間を配置し、
「目的がなくても人が訪れたくなる場所」
をつくることも重要です。
住宅、商業、オフィス、公園、そして鉄道。
それぞれをバラバラにつくるのではなく、一つの街として設計してほしいと思います。
まとめ―西宮の次の50年につながる開発を
今回の計画は、
「JR西宮駅と甲子園口駅の間に新駅ができるかもしれない」
というだけの話ではありません。
約12haという巨大な土地が、西宮北口のすぐ近くで一体的に再開発されます。
だからこそ私は、
①新駅の実現可能性を最大限追求する
②駅と一体となった南北自由通路を整備する
③西宮北口から新駅までを一つの都市拠点として考える
④住宅だけでなく「働く場所」をつくる
⑤魅力的な公園・公共空間を街の中心につくる
この5点を特に重視してほしいと思っています。
もちろん、新駅に多額の行政負担が必要となるのであれば、費用対効果の検証は不可欠です。
「夢があるから税金を使う」のではなく、「将来の西宮にそれ以上の価値を生み出す都市投資なのか」を数字で判断する。
その視点は絶対に必要です。
この12haをどう使うのかによって、西宮の街は大きく変わります。
一度開発すれば、次にこれだけ大きく街を変えられる機会がいつ来るか分かりません。
だからこそ、
「ここに何を建てるのか」ではなく、「ここから西宮をどう変えていくのか」。
そんな視点で、西宮の次の50年につながるまちづくりになるように、応援していきたいと思います。
今後も計画の進捗について、議会でしっかり確認しながらお伝えしていきます。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

