甲子園浜のゴルフ練習場はどうなる!? 令和8年3月議会 代表質問①
こんにちは。
西宮市議会議員の坂本龍佑です。
令和8年現在、アコーディア・ガーデン甲子園浜として利用されている甲子園浜の土地。
実はこの土地、西宮市の外郭団体である西宮市土地開発公社が保有している土地です。
そして、アコーディア・ゴルフとの現在の賃貸借契約は、令和9年12月末で満了することになっています。
では、その後、この土地はどうなるのでしょうか。
西宮市は、この土地を買い戻した上で、「総合公園」として整備する方針を示しています。
しかし、令和8年2月議会の時点では、大きな問題がありました。
「令和9年12月という期限が以前から分かっていたにもかかわらず、その後の具体的なスケジュールが示されていない」
ということです。
さらに、土地の買戻しだけで約55億円が必要とされる大規模事業であるにもかかわらず、長期財政見通しにも具体的な財政負担が反映されていませんでした。
そこで、令和8年2月議会の代表質問でこの問題を取り上げました。
そして、その後の令和8年6月議会では、ようやく今後の具体的なスケジュールが示されました。
今回は、2月議会で私が何を問題視したのか、そして、その後、市がどのような方針を示したのかをまとめます。
質問の動画はこちら!
目次
- 甲子園浜の土地はどういう土地?
- 令和9年12月に契約満了。でもスケジュールがない
- 約55億円の買戻し。それなのに長期財政見通しには入っていない
- 3月議会の代表質問で市に問いただしました
- 市「令和8年度の早い時期に全体スケジュールを示す」
- 私が問題視したのは「なぜ、もっと早く決めなかったのか」
- その後、6月議会で具体的な整備方針が示されました
- 甲子園浜は「スポーツ活動・レジャーの拠点」へ
- 買戻し・公園整備は令和13年度以降、供用開始は令和18年度を想定
- アコーディアとの契約は再延長の可能性
- スケジュールは出た。しかし財政問題はこれから
- まとめ
甲子園浜の土地はどういう土地?
現在、アコーディア・ガーデン甲子園浜としてゴルフ練習場に利用されている土地は、西宮市土地開発公社が保有しています。
土地開発公社とは、本来、市が将来必要となる公共用地などを先行して取得するための組織です。
つまり、土地を長期間保有して賃貸経営を続けることを本来の目的とした組織ではありません。
この甲子園浜の土地については、土地開発公社による長期保有・長期貸付が続いていることについて、包括外部監査でも問題が指摘されてきました。
西宮市自身も財政構造改善実施計画において、土地開発公社の廃止に向けた事業縮小を掲げています。
そして、市は土地開発公社を廃止するためには、最終的にこの甲子園浜の土地を市が買い戻す必要があるとの認識を示しています。
つまり、この問題は単なる「ゴルフ練習場の跡地をどうするのか」という話ではありません。
土地開発公社の整理、西宮市の財政、そして臨海部のまちづくりに関わる大きな問題です。
令和9年12月に契約満了。でもスケジュールがない
アコーディア・ゴルフとの現在の賃貸借契約は、令和9年12月末で満了します。
この期限は突然決まったものではありません。
以前から分かっていた話です。
一方、西宮市はこの土地について、買戻し後に総合公園として都市計画に位置付け、活用していく方針を示していました。
しかし、令和8年2月議会の時点では、都市計画決定、公園整備の具体的内容の決定、民間活力導入の検討、国庫補助金等の申請、予算措置、事業者選定、土地の買戻し、公園整備着手といった一連の工程について、具体的な全体スケジュールが議会に示されていませんでした。
令和9年12月という期限は決まっています。
そこから逆算すれば、
「いつまでに都市計画を決定するのか」
「いつ整備内容を決めるのか」
「いつ国に補助金を申請するのか」
「いつ土地を買い戻すのか」
という工程を決めておかなければなりません。
しかも、市は都市計画決定後に民間活力導入に向けたサウンディング調査などを行うことを想定していました。
そうなると、令和9年12月に土地を買い戻し、そのまま無駄なく公園整備へ移行することは、残された期間を考えても相当困難です。
であれば、整備に着手するまでアコーディア・ゴルフとの契約を延長し、賃料収入を得た方が市の財政にとって有利です。
私は契約延長自体を問題視しているわけではありません。
問題は、延長する可能性が高いのであれば、なぜもっと早く方針を決めて示さないのかということです。
約55億円の買戻し。それなのに長期財政見通しには入っていない
もう一つ大きな問題があります。
財政です。
甲子園浜の土地を土地開発公社から買い戻すためには、約55億円が必要とされています。
しかも、55億円で終わりではありません。
その後に公園を整備するのであれば、当然、整備費が必要になります。
さらに、完成後には維持管理費も発生します。
ところが、令和8年2月議会の時点では、この将来的な財政負担が長期財政見通しに具体的に反映されていませんでした。
西宮市は現在、厳しい財政状況を理由として様々な事業の見直しや延期を行っています。
その中で財政再建を考えるのであれば、将来発生する可能性の高い大規模な財政需要については、当然、長期財政見通しに織り込んでおく必要があります。
金額が完全に確定していないのであれば、注記する方法だってあります。
それすらなく、数十億円規模の事業を財政見通しの外に置いておいて、本当に「将来の財政状況を示した見通し」と言えるのでしょうか。
3月議会の代表質問で市に問いただしました
そこで、令和8年2月議会の代表質問で、大きく2点を質問しました。
一つ目は、令和9年12月の契約満了と同時に土地を買い戻し、公園整備に連続して着手することは困難ではないか。
それなら、公園整備着手までアコーディアとの契約を延長すべきであり、早期に今後の方針と全体スケジュールを示すべきではないか。
二つ目は、そもそも令和9年12月に土地を買い戻す予定だったのであれば、なぜその後に必要となる財政負担が長期財政見通しに含まれていないのか。
という質問です。
市「令和8年度の早い時期に全体スケジュールを示す」
これに対して市からは、
「令和8年度の早い時期に、今後の整備方針や全体スケジュール等を示した上で、都市計画の手続きを開始する」
との答弁がありました。
また、アコーディア・ゴルフとの契約についても、公園整備着手までの期間が少しでも市財政に有益となるよう、
契約期間の延長の可能性も含めて検討する
との考えが示されました。
この方向性自体については、私は評価しました。
公園整備まで土地を使わないのであれば、空けておくよりも貸付を続けて賃料収入を得た方がいい。
これは当然だと思います。
私が問題視したのは「なぜ、もっと早く決めなかったのか」
一方で、どうしても納得できないことがあります。
令和9年12月に契約が満了することは、以前から分かっていた話です。
そして今回、「令和8年度の早い時期に全体スケジュールを示す」という答弁を引き出すことができました。
だったら、
なぜ、もっと早く検討して示せなかったのでしょうか。
令和8年度になれば突然分かる問題ではありません。
令和9年12月という契約満了日は以前から決まっています。
都市計画、公園整備、国への申請、財源確保などに時間がかかることも以前から分かっています。
民間企業であれば、契約終了日という明確な期限があれば、そこから逆算して事業計画を作るのが普通です。
行政だから期限直前まで「検討中」でいい、とは私は思いません。
その後、6月議会で具体的な整備方針が示されました
そして、その後。
令和8年6月11日の建設常任委員会において、「臨海部埋立地における総合公園の整備及び管理の方針(案)」が報告されました。
詳しい資料は↓をご参照ください。
https://sakamotoryusuke.com/wp-content/uploads/2026/08/159908a8daaebee2fcb510358f15f9f1.pdf
3月議会で私が求めた「今後どうするのか」という工程について、ようやく具体的な方向性が示されたことになります。
今回示された方針では、西宮浜、甲子園浜、鳴尾浜にある3つの総合公園をそれぞれ単独で考えるのではなく、
「スポーツとレジャーの魅力が広がるベイエリアパーク」
というコンセプトのもと、一体的に臨海部全体の魅力を高めていく方針が示されました。
それぞれ、
- 西宮浜総合公園=子供の遊び・スポーツ活動の拠点
- 甲子園浜=スポーツ活動・レジャーの拠点
- 鳴尾浜臨海公園=体験レジャー・健康増進の拠点
という役割分担が示されています。
甲子園浜は「スポーツ活動・レジャーの拠点」へ
甲子園浜については、現在の土地開発公社保有地5.6haに、隣接する下水浄化センターの緑地部分約1.0haを加え、
約6.6haの「(仮称)甲子園浜総合公園」
として整備する方針が示されました。
目指すのは、多様な世代の市民が参加できる、スポーツとレクリエーション機能が調和した公園です。
ただし、すべてを市が公設公営で整備するとなれば、約55億円の土地買戻し費用に加え、さらに多額の整備費と維持管理費が必要になります。
そのため、市は民間活力の導入が必要との考えを示しています。
令和8年度中に国費の補助申請を行い、令和9年度からサウンディング調査を実施して、民間事業者のノウハウや資金をどこまで活用できるのか検討する方針です。
財政負担を抑える方法としては、国庫補助、起債、都市計画税、土地開発公社解散時の内部留保資金、Park-PFI制度、アコーディアとの契約延長による賃料収入などの活用が検討されています。
買戻し・公園整備は令和13年度以降、供用開始は令和18年度を想定
そして、今回の報告で最も重要なのが、具体的なスケジュールが示されたことです。
市が示した工程では、概ね、
令和8年度~令和9年度
都市計画手続き
令和9年度
民間事業者とのサウンディング調査
令和10年度以降
民間活力による事業手法の検討
令和13年度以降
用地買戻し・公園整備
令和18年度
供用開始を想定
という長期的なスケジュールが示されています。
つまり、3月議会で私が指摘した通り、
令和9年12月に土地を買い戻し、そのまま公園整備に入るスケジュールではなかった
ということです。
現在のアコーディアとの契約が終了する令和9年12月から、実際に土地を買い戻して公園整備を進めるまでには、数年間の期間が生じる可能性があります。
アコーディアとの契約は再延長の可能性
そこで、市はアコーディア・ゴルフとの契約についても、
「最終的な再延長が可能か否かについて、事業者や地元等との協議、検討を行う」
との方針を示しました。
工程表では、令和9年度に契約延長の方針を決定するとされています。
私は2月議会で、公園整備にすぐ着手できないのであれば、アコーディアとの契約を延長し、可能な限り賃料収入を確保するべきだと指摘しました。
今回、市も同じ方向性を具体的な検討項目として示したことになります。
これは合理的な判断だと思います。
ただ、改めて言いますが、
令和9年12月に契約が切れることは、ずっと前から分かっていました。
今回ここまで具体的な工程を示せるのであれば、もっと早い段階から工程を整理し、アコーディアとの協議を進めることはできなかったのか。
この点についての疑問は残ります。
スケジュールは出た。しかし財政問題はこれから
6月議会で工程が示されたことで、3月議会の時点と比べれば、この事業の全体像はかなり見えるようになりました。
これは前進です。
しかし、私が2月議会で指摘したもう一つの問題、
「長期財政見通しとの整合性」
は、これからです。
今回の資料によって、土地の買戻しだけで約55億円必要であることが改めて明示されました。
さらに、その後の公園整備費、維持管理費も必要です。
一方、市は財政構造改善のため、様々な事業を延期・見直ししています。
そうした状況だからこそ、
「甲子園浜にいつ、いくら使うのか」
を長期財政見通しの中で明確にしていかなければなりません。
今回、市は国庫補助、起債、都市計画税、土地開発公社の内部留保、民間活力など、財政負担を抑える様々な手法を示しました。
しかし、
「財源をどう工夫するか」と「最終的に市がいくら負担するのか」は別の問題です。
事業費そのものが見えなければ、本当に現在の財政状況で実施可能なのか判断することはできません。
工程表ができた以上、次に必要なのは、財政計画です。
まとめ
今回の甲子園浜の問題で私が最も問題視してきたのは、公園をつくること自体ではありません。
行政の計画性です。
令和9年12月という契約期限は以前から決まっていました。
土地を買い戻す必要があることも分かっていました。
公園整備には時間もお金もかかることも分かっていました。
それなら、本来はその期限から逆算して、
工程と財源をセットで示しておくべきだった
と私は考えています。
2月議会でこの点を指摘したところ、市は「令和8年度の早い時期に全体スケジュールを示す」と答弁しました。
そして6月議会では、実際に令和18年度の供用開始までを見据えた工程が示されました。
この点については、一歩前進したと評価しています。
一方で、約55億円の土地買戻しに加えて公園整備費・維持管理費が必要となる大規模事業です。
工程表を作っただけで事業が実現するわけではありません。
次に必要なのは、その工程と長期財政見通しを一致させることです。
甲子園浜という西宮市にとって非常に貴重な土地を、市民にとって魅力ある場所にする。
その一方で、将来世代に過大な財政負担を残さない。
この二つを両立させなければなりません。
今後も、事業内容と財政負担の両面からしっかりチェックしていきます。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

