◆17番(坂本龍佑) 皆さんこんにちは。
啓誠会の坂本龍佑でございます。
それでは早速、一問完結方式にて2点、質問させていただきます。
まずは、公立保育所における紙おむつの定額制サービス、いわゆるおむつのサブスクリプションサービスの導入についてお伺いします。
現在、公立保育所に通っている子供の保護者は、おむつに名前を書き、保育所に持参しております。私も1歳の娘を育てる父親ですが、日々の登園準備の中でおむつを何枚入れるか、名前を書き忘れていないかといった確認は、忙しい朝に、少なからぬ負担となっております。
特に共働き家庭にとっては、こうしたささいな準備が積み重ねることで、時間的、精神的なゆとりを失わせる一因にもなっています。
こうした保護者の負担を軽減し、合わせて保育現場の業務効率化を図る取組として、近年では紙おむつを定額制で提供する外部サービスを保育施設に導入する自治体が増加しています。これがいわゆるおむつのサブスクリプションの仕組みであり、既に全国で8,000以上の保育施設に導入され、近隣市では、明石市や三田市、大阪市、枚方市を含む135以上の自治体がこの方式を採用しております。
資料1ページを御覧ください。こちらがサービスの概要を示したものです。
このサービスは、利用を希望する保護者が契約を行うことで、園に直接おむつ等が配送されるというものです。また、契約者である保護者がおむつ代を負担しますので、市にとっての財政的な負担はありません。そして、この制度を導入する主な効果は以下の3点です。
まず、1点目は、保護者の物理的、心理的負担の軽減です。おむつの記名・補充・持参といった準備作業が不要になり、登園時のストレスが大きく軽減されます。
2点目は、保育現場の業務改善です。
紙おむつのサイズ違いや記名漏れによるトラブルの回避、在庫管理や保護者とのやり取りの削減など、保育士の業務が簡素化されることにより、保育の質を高める余地が生まれます。特に人手不足が課題となっている現場においては、こうした業務の見直しは非常に意義のある施策です。
3点目は、防災対応力の向上です。
サービスを導入している保育所では、災害時に備蓄されたおむつを被災者に提供する運用がなされており、実際に地震災害の際には、近隣地域への物資支援に活用された実績もあります。
市が備蓄を別途行わずとも、保育施設での備えが地域防災に資するという点は、重要な副次的効果と言えます。
こうした仕組みは既に複数のサービス提供事業者が存在しており、各自治体では、業務実績や価格、保護者対応体制、セキュリティ、災害対応など、多角的な観点から比較、選定がなされており、公募や随意契約を含めて、地域の事情に応じた柔軟な判断が可能です。
また、導入に至るプロセスとしては、所長会等での説明、保護者への案内で理解が得られましたら、一部の保育所で実証実験を行い、アンケート調査などを通じて、本格導入に進むというステップが他の自治体の既存事例でも多く見られることから、西宮市での導入も十分に可能と考えます。
そこで、以下の点についてお伺いします。
1点目です。紙おむつのサブスク導入について、市としてどのような認識を持っておられるか。
また、保護者支援、保育現場の業務効率化という観点でお聞かせください。
2点目です。導入に当たって、市が想定している課題や懸念点をお聞かせください。
3点目です。公立保育所の紙おむつサブスク導入についての見通しをお聞かせください。
よろしくお願いします。
○議長(川村よしと) これより当局の答弁を求めます。
◎市長(石井登志郎) 公立保育所のおむつのサブスクの導入についての御質問にお答えいたします。
まず、業務効率化に対する考え方でございますが、この紙おむつの定額制サービス、サブスクでございますが、利用は任意であります。任意というのが他市の事例でありまして、導入に当たっては利用希望の保護者にとって、一定の費用負担だけで保育所に持参するおむつへの記名や持込みが不要になるということから、保護者支援という点ではメリットが大きいと考えております。
また、保育所にとってはおむつの履かせ間違いの未然防止や、保護者に対してのおむつの持込みを催促する必要がなくなるなど、業務改善につながるものであり、さらにはおむつを忘れた人に貸し出すというためのストックが減るなど、効果もあると考えております。
次に、課題や懸念点についてでありますが、導入に当たっては、おむつの発注作業や、発注したおむつの置き場所の確保等の負担が増えることが想定されます。
また、利用率が低い場合は、利用者とそうでない方との区別が必要となりまして、業務が煩雑となる可能性や、先に述べました業務改善のメリットが低減するなどの懸念がございます。
最後に、導入の是非でありますけれども、サブスクの導入は保護者へのメリットが大きいことに加え、既に導入している他市の状況を踏まえますと、一定以上の利用率が期待できることから、職員の業務改善にもつながるものと考えております。
また、議員の御質問にもありましたように、災害時には被災者へ提供する運用ができるなど、副次的効果も見込めます。そのため、今後、利用率が高くなる工夫を模索しつつ、保育所職員の意見も聞きながら導入に向けた検討を進めてまいります。
以上です。
○議長(川村よしと) 当局の答弁は終わりました。
◆17番(坂本龍佑) 市長、ありがとうございました。
答弁の中で保護者のメリットが大きく、職員の業務改善にもつながるため、導入に向けた検討を進めるということで、非常に前向きな答弁をいただけたというふうに受け止めております。
まずはぜひ、実際に現場で働く保育所職員の声を丁寧に拾いながら、早期に実証実験の準備を進めていただきたい、こういうふうに思っております。
先ほど市長からもございましたけれども、この制度は契約主体があくまでも保護者個人であるため、市が直接契約したり、財源を支出したりする必要はありません。財政的な負担をかけることなく、保護者の登園準備の負担を軽減し、保育士の業務改善をも同時に実現できる、非常に効率的な仕組みであると考えています。
そして、この効率のよさは、単なる業務改善にとどまらず、我が国並びに本市が取り組むべき少子化対策にも通じるものというふうに考えております。
現在子供を持たない理由として、経済的負担の大きさ、子育てと仕事の両立の困難さが挙げられています。とりわけ共働き世帯では、子育てにおける毎日の小さな不便が、やがて大きな壁となり、第2子、第3子を持つ選択を遠ざける要因になりかねません。
だからこそ、紙おむつの準備といった日常の手間を制度として解消していくことが必要です。目に見える経済支援だけでなく、見過ごされがちな日々の煩わしさに光を当て、具体的に取り除いていく、こうした丁寧な子育て支援こそが、将来的にこの町でなら子育てができると感じていただける環境づくりにつながるのではないでしょうか。
もちろん本市は今、財政構造改善を進めている最中であり、新たな事業に慎重になる局面でもあります。だからこそ限られた財源で最大の効果を生み出す施策を一つでも多く選び取っておくことが求められていると感じます。
最後に、未来を担う子供たちへの投資は、決して支出ではなく、未来の創出であることを信じております。本市のさらなる前向きな取組を強くお願い申し上げまして、この質問を終わります。
次に、県営住宅の市への移管と都市再生戦略について伺います。
西宮市には現在9,110戸の市営住宅に加え、県営住宅が3,617戸存在しており、言わば二重構造の公営住宅制度が続いています。
市では西宮市営住宅整備・管理計画に基づき、令和42年度までに市営住宅を5,800戸程度まで縮減する方針を掲げており、老朽団地の建て替えや統廃合は避けて通れない状況です。
また、令和7年3月7日の建設常任委員会において、市営住宅の新たな計画策定の方向性について報告され、これまでの建て替え事業中心の方針を、既存住宅ストックを活用した住み替え事業に転換する方針が示されました。
9月にその方向性が改めて提示される予定であり、公営住宅の在り方は、今まさに大きな転換点に差しかかっていると言えます。
そうした中で、今回提案するのが県営住宅の市への移管です。制度が異なる県営、市営の二重構造によって、公営住宅の入居者にとっては、管理や承継基準、集会所の取扱いなどに違いがあり、窓口の一本化や転居先の柔軟な確保、制度統合による公平性の確保に課題があります。
また、住宅セーフティーネットとしての必要戸数についても、本来であれば市営と県営を合わせて検討されるべきですが、現状では県営住宅は、市の政策的コントロールが及ばず、計画策定上の不確実要素となっており、政策主体を一本化することが制度設計上も望ましいと考えます。
さらに、県営住宅の中には、市営住宅と隣接することで、統合的な土地活用が可能なもの、大規模団地として、用途転換可能なものなど、都市再生の視点で魅力的な土地が複数存在しています。
市街化区域内の用途規制や都市計画決定権限を持つのは市である以上、土地を受け入れ、用途転換や再編整備を通じて、民間投資や住宅供給につなげることが、都市戦略上の意義として極めて大きいと考えます。
特に定住人口の増加・維持や、地域に必要な福祉施設、公園といった多様な用途への活用も想定されますし、仮に民間に売却する場合でも、用途を制限した売却とすることで、地域政策に資する形での転換も可能です。
もちろんどれだけ制度的、戦略的に合理性があっても、財政的な持続可能性が確保されなければ実現は困難です。
西宮市の市営住宅においても、年間約20億円の収入に対し約25億円の支出があり、毎年赤字が続く構造です。ここに大規模修繕による支出を加えれば、さらに赤字額は拡大します。
県営住宅を引き受けた場合でも、単年度赤字になると想定されますが、建て替え集約や土地活用によって累積では黒字を確保するという構造の確保が求められます。
実際に大阪府では、門真市をはじめ、複数の自治体が府営住宅の市への移管を進めております。資料の2ページ、3ページにその移管条件等を載せておりますので、合わせて御確認ください。
門真市では無償譲渡、全団地移管、起債償還の市町負担という大阪府の条件の下で、市が主体的に用途転換や売却を行い、長期的には財政黒字を見込む構造を実現しており、実際に門真市のシミュレーションでは、令和40年度までに累計60億円超の黒字が見込まれております。地価が高く、開発余地のある西宮市ではさらに高い効果が期待されます。
4ページの資料4、資料5を御覧ください。
令和4年度に作成された市営住宅整備管理計画では、県営住宅も含めた公営住宅の必要戸数の想定が示されており、公営住宅全体で40年間で4,801戸、10年間で1,380戸の削減が見込まれております。県営住宅だけに絞っても、40年間で1,400戸、10年間で350戸を削減するペースとなっております。
このデータを踏まえると、市営と県営の全体整備の中で、建て替え集約や用途転換を実施することにより、財政的なメリットが十分に得られる可能性があります。
そして、兵庫県は、令和元年の県議会において、市町村から移管の申出があれば、真摯に協議するというふうに答弁しており、現在もその方針に変更がないことを確認済みであり、市として県に対して提案を行えば、協議が始まる素地は整っていると言えるでありましょう。
以上を踏まえて、以下の3点について伺います。
1点目に、公営住宅制度が、兵庫県と西宮市で分断されたままであることにより、入居者の管理、承継基準や制度運用の違いが生じている現状を踏まえ、入居者の公平性や住宅政策の一体的運用の観点から、どのような課題を認識しているのかお伺いします。
2点目に、老朽化の進む県営住宅を土地資産として評価した際に、市の建て替え、用途転換の方針や民間投資、定住促進などの都市政策と連携させることで、どのような可能性や、財政的合理性があると考えておられるか、御見解をお伺いします。
3点目に、大阪府で実現されているような土地・建物の無償譲渡を含む全戸移管のモデルを前提として、県と協議を開始する意向があるか、御所見を伺います。
以上、よろしくお願いします。
○議長(川村よしと) 当局の答弁を求めます。
◎都市局長(佐藤亘一郎) 県営住宅の市への移管と都市再生戦略についての御質問にお答えします。
まず、公営住宅が、県営と市営に分かれていることについて、入居者の公平性や住宅政策の一体的運用の観点から、どのような課題を認識しているかについてお答えします。
市営住宅の再整備の際に、集約的建替事業において、隣接する県営住宅との間で、入居者の住み替えが成り立てば、より円滑に事業を進めることが可能となる場合もあります。
しかしながら、同じ公営住宅という点では、制度に大きな違いはないものの、細かな違いが、県営、市営双方の入居者に対する不利益となる可能性もあり、詳細な検討や県との調整が必要です。
また、県営住宅は県内に居住または勤務、市営住宅は、市内に居住または勤務であることの入居要件や、積み上げられてきた運用の違いなどもあり、担ってきた役割が区別されています。
公営住宅の根幹的な役目であるセーフティーネットの観点からも、住宅に困窮する低額所得者に対して、居住の選択を広げており、県、市それぞれが担う役割を果たしていると考えております。
次に、老朽化の進む県営住宅を土地資産として評価した際に、市の建て替え・用途転換の方針や、民間投資、定住促進などの都市政策と連携させることで、どのような可能性や財政的合理性があると考えるかについてお答えします。
近年の物価高騰や労働力不足により、新築建設コストは増加の一途をたどっており、今後の先行きが不透明な状況が続いております。このような要因もあり、これまでの本市の建て替えありきの公営住宅再整備方針は、本市の財政に多大な影響を与えると考えられ、また、昭和56年以前に建設された、いわゆる旧耐震住宅の解消を図ることが急務であることから、今年度、第2次西宮市営住宅建替計画の見直しを行い、建て替え中心から住み替え中心とすることで、旧耐震住宅の解消を進めようとしております。
一方、兵庫県に対して、市内に存在する県営住宅の入居状況及び移管に関する基本的な条件について問い合わせたところ、入居率についてはどの団地もかなり高く、また、移管に関する基本的な条件については、個別具体の話であるので、現時点では回答できないとのことでした。
このように、県営住宅の移管を受け入れるとする際の諸条件が見定めにくいこともありますが、今後、市営住宅の再整備や住み替えを進め、管理戸数も適正化に向けて削減していく中、市内の県営住宅について、立地状況によっては、移転先として活用できる場合や、一体開発することで有効な土地利用や余剰地の売却などのメリットがある場合もあります。
次に、大阪府で実施されているような土地建物の無償譲渡を含む一括移管のモデルを前提として、県と協議を開始する意向があるかどうかについてお答えします。
先にも答弁しましたように、県営、市営双方の入居者に対して不利益になることがないかの確認も行っておらず、本市の長期的な計画策定の中で、どの県営住宅を優先的にかつ一体的に活用していくかの方針を示せていない中、たとえ大阪府で実現しているような一括移管のモデルを前提としても、県は市の個別具体の計画がない限りは、条件などについて回答し難いとのことであるため、直ちに協議を始めることは困難であると考えます。
今後は長期的な計画策定の中での選択肢の一つとして研究し、しかるべき時期には県との協議も検討していきたいと考えております。
以上でございます。
○議長(川村よしと) 当局の答弁は終わりました。
◆17番(坂本龍佑) 県営住宅を市に移管するに当たっては、様々な検討事項があること、これは答弁からもよく分かりました。当然かなというふうに思っております。
しかし、最後の答弁でこういうふうに局長がおっしゃいました。長期的な計画策定の中での選択肢の一つとして研究しながら、しかるべき時期には県との協議も検討していきたいと考えております。これは不十分ですね。まず、市が先に条件を検討すると、その検討がいつまでかかるのか、これは本当に分からないですね。一生懸命仮に検討したとして、県と市が思っている条件にも大きな乖離がありますよというふうになったら、これほんと時間の無駄ということになりかねません。
再度申し上げるんですけども、資料の4ページにも書いてますね。県は市からの申出があれば、真摯に協議を行うというふうに言っているんですね。かつ、大阪府に――隣の大阪府に事例もあるんです。4自治体が市に移管しているというような実績もあります。
そこで、まず兵庫県に対して、仮に大阪府と同じスキームの無償譲渡で全団地を移管する、起債償還の市町負担、この条件で、県営住宅を市に移管することは考えられるのか、検討できるのか、これを聞いた上で、県の回答を求めてもらった上で、県が全然違う回答を言ってくれたということだったら、またちょっと考えないといけないんですけど、それがどうなのかというのをまず聞かないと、こっちで中で考えていても、正直仕方ない話なんですね。
ここで再質問をしたいと思います。
北田副市長、兵庫県に対して、大阪府と同じ条件だったら移管するのかどうか、これを聞くのか、それとも聞かないのか。これについてお聞かせいただけますでしょうか。
お願いします。
○議長(川村よしと) 再質問に対する答弁を求めます。
◎副市長(北田正広) ただいまの再質問にお答えいたします。
議員の御指摘を踏まえまして、大阪府で実現されているような条件も含めまして、この県営住宅の市への移管の条件につきまして、現在、県がどういう考えを持っているのか、これについては市としても確認をさせていただきたいと思います。
以上でございます。
○議長(川村よしと) 再質問に対する答弁は終わりました。
◆17番(坂本龍佑) ありがとうございます。
大阪府と同じスキームで県営住宅の市への移管が可能なのかどうか聞くというふうに今御答弁いただきました。
6月定例会が終わりましたら、すぐに行動に移されるんだろうなというふうに信じておりますけども、必ずその結果を、議会だったり市民に結果を報告いただいて、正式な文書照会も含めて、期限を切った回答を求めるようにしていただければと思います。
せっかくですからいっぱい議論をしたいなというところなんですけども、今回はいただきたかった回答がいただけましたので、ここから意見にしたいなというふうに思います。
県営住宅を市に移管するというのは、県下では全く事例のない取組です。しかし、住みたいまちとしての価値を未来に継承していくためには、計画的で魅力的な都市の発展のための取組を続けていかなければなりません。
また、住宅セーフティーネットとしての公営住宅の在り方は、その住宅に住める人と住めない人での経済的な支援の差が大き過ぎるという点で課題であると感じているところです。
そんな公営住宅の在り方そのものを考えていく中で、政策決定を一元化し、市が全ての公営住宅を把握した上で、必要な世帯に必要な住宅を届けていくということには大きな意味があると考えております。
そして、兵庫県に対する明確な質問を問いかけることが決まった今、それに対してどのような回答があるか分かりませんが、市としてどのような条件だったら受け入れることができるのかを検討する準備を進めていただきたいと思います。
幸い事例に挙げた門真市も含めて、大阪市、大東市、池田市など、近隣市での受入れ実績もあるわけですから、そのあたりの市にヒアリングをしながら検討を行ってください。
その検討結果を明示するには時間がかかるでしょうが、議会にも共有していただいた上で、公営住宅全体の在り方をぜひ一緒に議論していきましょう。
必要な住宅セーフティーネットとしての公営住宅が機能し続けることと、魅力的なまちづくり、都市整備が進められていくことを願って、この質問を終わります。
最後に、質問に関わってくださった皆様に改めて感謝を申し上げ、啓誠会、坂本龍佑の一般質問を終了します。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(川村よしと) 坂本龍佑議員の一般質問は終わりました。