西宮市長選挙を振り返る
こんにちは。
西宮市議会議員の坂本龍佑です。
3月29日に行われた西宮市長選挙「田中まさたけ」候補を応援しましたが、惜敗となりました。
石井としろう:71,045票
田中まさたけ:70,390票
畑本ひでき:11,725票
以上の結果によって、655票という僅差で現職の石井さんの再選となりました。
多大なご支援をいただきながら、田中まさたけさんを当選させられなかったことを心からお詫び申し上げるとともに、戦い抜かれた3候補に敬意を表します。
また、同時に行われました市議会議員補欠選挙においては、自民党公認候補の「かみたにゆみ」さんが当選されました。
翌日には、私も所属する啓誠会に入会していただき、今後6名体制で市政に向き合ってまいりたいと思います。
選挙が終わってから、なかなか選挙の振り返りをする気にもなれませんでしたが、今後のためにも今回の選挙を振り返っておこうと思って、ブログを書くことにしました。
分析の要素も多く、まだ感情的に受け入れられない方もいらっしゃるかもしれませんが、一つのケジメとして、前を向いていきたいと思っていますので、ご容赦いただけると幸いです。
- 選挙の構図 石井市政をどう評価するか
- 立候補を表明した「石井さん、田中さん、しぶやさん」
- 畑本さんの立候補
- 選挙戦の争点
- 選挙中の感覚
- 選挙を終えての所感① 議会と市長選挙
- 選挙を終えての所感② 自民と維新の推薦
- 神戸新聞の出口調査からの考察
- これからの市政運営について
- 来年に向けて
選挙の構図 石井市政をどう評価するか
今回の市長選挙における構図は、
「現在の石井市政をどう評価するか」
これが大きな争点でした。
・市政施行100年の歴史の中で初めて当初予算が否決
・財政難によって、市民サービスの見直しが進む
・他市と比較して新しい行政サービスへの取り組みは不足
・選挙直前での子供医療費の完全無償化
こういった状況において、早めに各候補が立候補を表明することになりました。
立候補を表明した「石井さん、田中さん、しぶやさん」
こうして、私の応援した「田中まさたけ」さんと会派ぜんしんの「しぶや祐介」さんが10月に早々に立候補を表明され、市民に現在の市政を問う構図が示されました。
一方、この二人はどちらも自民党や日本維新の会のような「保守」と呼ばれる主張を基本としており、二人が立候補することは、「保守分裂」という状態を生むことが予想されました。
石井さんは、現在は無所属で政党からの推薦も受けずに、市長選を戦っておりますが、元々は民主党の衆議院議員で、現在の立憲民主党、国民民主党、中道改革連合といった政党の主張に近いことから、「リベラル」と呼ばれる政治家に分類していいかと思います。
このような前提に立つと、
現職の石井(リベラル) vs 新人の田中(保守) vs 新人のしぶや(保守)
という構図になると、自然と現職の石井市長が有利になると考えられるのが、一般的な考え方であり、田中さんとしぶやさんの候補者間の調整ができないかと考えるのは、西宮市の政治に関わる多くの人の中で悩ましいところでした。
そうした中で、11月にしぶやさんが立候補を取りやめることになりました。詳細は↓
https://www.kobe-np.co.jp/news/society/202511/0019757695.shtml
これは、現職と新人の一騎打ちになり、
現在の西宮市政の継承か刷新かを問う選挙になるだろうと誰もが思いました。
畑本さんの立候補
そこに立候補されたのが、畑本さんでした。
畑本さんは、大前繁雄元衆議院議員が応援された方で、世界に誇る福祉都市西宮を作ると言うことでした。
個人的には、西宮市の福祉は現状でもかなり他市と比較して手厚いものになっていると考えております。
それ自体はもちろんいいことなのですが、限りある財源の中で、これ以上に手厚くする場合、公共施設の維持修繕や子育て支援といったところへの財源が足りなくなると感じており、趣旨は理解できるものの、優先順位の観点で厳しいという感想を持っておりました。
畑本さんが、市長選挙の当選ラインに届くことはないと感じておりましたが、田中さんを利するか、石井さんを利するかと言われると、悩ましいところでしたが、結果として五分五分ぐらいだったのではないかと感じております。
選挙戦の争点
今回の市長選挙では、市政の継続か刷新かが問われたわけですが、
争点と言うべき点はなんだったのでしょうか。
田中さんは8つのビジョンを掲げ、6つの重点政策を掲げました。
特に、市民の皆様の関心が高そうな公約は、
「第二子以降の保育料の無償化」「ゴミ袋の半透明への見直しの検討」「部活動の継承」「財政難を立て直す」
この辺りが多くの皆様からご意見をいただいたところでしょうか。
一方の石井さんも、これまでの実績に加え、今回も100の政策を掲げ、選挙戦に挑まれました。
現職市長は、これまでの継続といった側面が大きく、新たな4年間での公約という意味での目新しい部分は少なくなるのは仕方のないところかなと思います。
市議会側としては、財政難によって、既存サービスを削ることと、新たな市民サービスができなくなっていることに対する問題意識を市民の皆様にお伝えしてきたつもりです。
しかし、市民にとって財政難というのは身近な関心ごとではなく、どんなサービスを提供してくれるのかというところに関心が集まります。
そういう意味で、これまでの市政の結果、財政難を引き起こしたということは、大きな争点にならず、無難な行政運営をしてきたという評価につながってしまい、争点がないという風に見られたのかなと感じております。
選挙中の感覚
こうして、選挙戦を迎えるに至ったわけですが、
田中さん(自民・維新推薦)と石井さんの事実上の一騎打ちだったと思います。
私は、田中陣営側のスタッフとして活動しておりましたから、石井陣営がどんな動きをしていたのかイマイチ理解できていない部分もあります。
ただ、田中陣営は、啓誠会、維新の会に加え、ぜんしんの議員の協力もいただき、朝の駅立ちを毎日15人体制で行い、確認団体チラシを配布しました。
選挙戦の告示日には、兵庫県下の国会議員や近隣各市から県議会議員・市議会議員も応援に駆けつけ、維新の会の吉村代表も応援演説を行い、西宮ガーデンズのひなた緑地は500名以上の方が来られました。
街頭での感触もよく、ネット上の反応も良好であったことから、陣営側にこれはいけるのではないかという感覚があっただけに、結果が結び付かなかったことを非常に残念に感じました。
選挙を終えての所感① 議会と市長選挙
普段の議会での役割として、市政を監視し、より良い提案をするということが求められますが、どうしても現職の批判が先行してしまう部分もあったように思います。
現職の市長と直前まで市議会議員を務めた人による選挙なわけですから、それは一定仕方のないところもあると思うのですが、やはり市長選挙は未来を語るべきものであり、議会での議論と、選挙での議論のそれを分ける必要があったのかなと振り返る部分もあります。
もちろん、田中まさたけさんが批判をしていたわけではなく、私も含めて周りの議員が現状の問題点とそれに対する改善策という主張を展開した結果、批判的だという評価をいただいたのかなと思っています。
やはり、現状の問題点とそれに対する具体的な改善策というものは、市役所内で徹底的に議論するべきものである一方で、
市長選挙においては、
「未来の西宮はどうあるべきなのか」
「街の姿をどうしたいのか」
「どうやって市民を幸せにするのか」
という議論に加えて、
「私はどういう人間なのか」
「私は何がしたいのか」
これを徹底的に伝えていかないといけないのだと感じました。
私自身、田中さんをサポートする中で、政策的なことや財源のことに頭がいきすぎて、田中さんがどういう人なのかをもっとお伝えして、支援を求めるということが足りていなかったのかなと思う部分があります。
選挙を終えての所管② 自民と維新の推薦
今回の選挙において、田中さんは自民と維新という、政権与党からの推薦を受けて戦いました。
メインとなり、街宣車で活動してくれたのは、啓誠会の川村議長、森議員、松本議員でした。
時に、「坂本くん鬼や」という声も聞こえてきましたが、朝から晩まで走り回ってくれた皆様には感謝しかありません。
そして、自民党の所属議員も、維新の所属議員も関係なく、共にマイクを握り、チラシを配りました。
さらに政党に所属していないぜんしんの議員の皆様にも、街頭に立って活動していただきました。
それだけ総力戦の選挙を戦ったと思いますし、個人的には選挙戦でよくあるような「自民が」「維新が」というのなく、選挙活動をしていただけた方が大勢いらっしゃったことは、本当にありがたかったと思っています。
当然、だからこそ勝ちたかったと思ってしまうのですが。
神戸新聞の出口調査からの考察
一方、神戸新聞の調査によると、
・自民党支持層の4割が現職の石井さん(田中さんは56%)
自民党の元市議の立候補で、自民党支持を固められなかった要因というのは、私も含めて自民党議員にあるのだろうと感じており、申し訳なく思っています。
4割が石井さんに投票したというのは、現状維持を望んだのか、4年前の市長選挙で自民党が石井さんを支持したことが影響しているのかわかりません。
国政選挙では山田衆議院議員がかなりの票を獲得しているわけですから、そこの支援を押さえていくことは今後の選挙においても大切になってくると思います。
・無党派層は石井さんが優勢
かなり多くのチラシをポスティングや駅立ちによって配布しましたし、それぞれの議員が情報発信をしていただけに、無党派層で勝てなかったのは、明確な争点が財政難に見えてしまったことにあるのかもしれません。
経験や実績を評価する声が多いようですが、そこの問題点は財政難を招いたという点では弱く、市民に伝えきれなかったのだろうなと思っています。
・30,40,50代は田中さん支持、10,20,70代は石井さん支持、60代は同率
30代から50代において、10ポイント近く、田中さんが優勢に出ている結果を見ると、現役世代は駅立ちとポスティングによる効果が出たのだろうと感じております。
実際に駅立ちをしていても、普段の私のチラシを配布している時に比べても、明らかに受け取りがよく、頑張れ!というお声もいただいておりました。
また、政策的に、子育て支援や部活動の地域展開に対する問題点の提示も好意的に受け止められたのかなと感じています。
一方、10代、20代では大きく石井さんが優勢になっています。
これはSNS戦略による情報発信に問題があったのかもしれません。
陣営としても、できるだけわかりやすく、政策に関する情報発信をしたいと考えておりましたが、「なんの情報を削るか」というところが非常に難しいのだということがわかりました。
ショート動画の活用によって、人柄・政策を伝えるというのは、これからの選挙戦に必須になるため、今後の課題としたいと感じております。
他にも、公明党支持はほぼ石井さんに投票したことも大きく影響したと思います。
自公連立の時に選挙があったら?と思う部分もありますが、考えても仕方のないことかなと思っています。
これからの市政運営について
田中さんの今後については、一旦白紙と表明されており、私もそれ以上のことは存じ上げておりません。
一方、結果として、石井市長再選という民意が示されたわけですから、それを受け止めて前に進んでいかなければなりません。
当然、石井市長再選が民意なのだから、一定尊重をすることは大切です。
しかし、それと近しい市民が田中さんに投票したということも忘れてはならないのです。
二元代表制という仕組みの中で、今後も是々非々で石井市政に対峙すると共に、市政を前に進めていくために、議会としてどう向き合っていくかは非常に重要な課題です。
私自身は、議員の一人として、まず一つでも多くの政策を前に進めていくことを最優先にしつつ、啓誠会の幹事長として、会派としての主張を市役所に対して強く訴えることによって、政策実現を推し進めていきたいと思います。
大切なのは、あくまで「政策本意」「是々非々」ということです。
来年に向けて
市長選が終わって、ひと段落と行きたいところではあるのですが、そうも言ってはいられません。
私自身は、来年の統一地方選挙まであと1年の任期を残すのみとなっております。
今回の市長選を戦った啓誠会の仲間も、維新の方も、ぜんしんの方もそれぞれの主張をぶつけて選挙戦を戦うことになります。
これまでの3年間を振り返りつつ、自分にできること、自分に足りていないことを改めて考えて、次にの任期においても、市民からご期待いただけるような議員であり続けるために、全力を尽くしていきたいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

