県営住宅の市への移管をすべきでは?令和7年6月一般質問②

こんにちは。

西宮市議会議員の坂本龍佑です。

令和8年3月議会が行われている中ですが、滞っておりました一般質問に関するブログの更新です。

今回は令和7年6月に行った県営住宅の市への移管と都市再生戦略についての一般質問のご報告です。

県営住宅と市営住宅という二種類の公営住宅がありますが、この二つが併存する必要性について皆さんは考えたことはありますでしょうか?

今回は県営住宅を市に移管するように進めては?という提案です!

目次

  1. 公営住宅はなぜ「二重構造」なのか
  2. 市営住宅5,800戸への縮減方針と転換点
  3. 県議会での答弁
  4. 県営住宅移管という選択肢
  5. 財政は本当に持続可能なのか
  6. 大阪府・門真市の先行事例
  7. 再質問で引き出した県への正式確認
  8. 公営住宅の未来をどう描くか

1.公営住宅はなぜ「二重構造」なのか

西宮市には現在、市営住宅9,110戸に加え、県営住宅3,617戸が存在しています。
同じ市内に「市営」と「県営」が併存する、いわば二重構造の公営住宅制度が続いています。

制度の大枠は同じですが、
・入居要件
・承継基準
・運用ルール
・管理体制

こうした細かな違いが存在し、入居者の公平性や政策の一体運用という観点で課題が生じています。

とりわけ建替えや集約を進める際、隣接する団地間で柔軟な住み替えができれば事業は円滑に進みます。

しかし制度が分断されていることで、政策的な機動力が制限されているのが現状です。


2.市営住宅5,800戸への縮減方針と転換点

そんな中、市は「西宮市営住宅整備・管理計画」に基づき、令和42年度までに5,800戸程度へ縮減する方針を掲げています。

さらに今年度、これまでの「建て替え中心」から
「既存ストック活用・住み替え中心」へと方針転換する方向性が示されました。

背景には、

  • 建設コストの高騰
  • 労働力不足
  • 旧耐震住宅の早期解消

があります。

このようなことからも分かるように、まさに今、公営住宅政策は大きな転換点に差しかかっています。

3.県議会での答弁

とはいえ、県営住宅を市に移管するなんて無理じゃないの?

そう思った方も多いかと思います。

しかし、実は移管元の兵庫県議会では重要な答弁がされているのです。

それが、令和元年の県議会において

「市町村から移管の申出があれば、真摯に協議する」

という内容です。

つまり、

  • 県は協議そのものを否定していない
  • 市からの正式な意向表明があればテーブルに着く姿勢を示している

ということです。

協議の前提は、すでに整っているのです。

だからこそ私は、「まず県に正式に条件確認をすべきだ」と提案しました。


4.県営住宅移管という選択肢

ではなぜ県営住宅移管を提案したのでしょうか。

理由は明確です。

① 政策決定の一元化

市が都市計画決定権限を持ちながら、県営住宅には政策的コントロールが及ばない。このねじれを解消する必要があります。

② 都市再生の可能性

県営住宅の中には、

  • 市営住宅と隣接し統合的活用が可能な団地
  • 大規模団地として用途転換可能な土地
  • 民間投資を呼び込めるポテンシャルを持つエリア

が存在します。

定住人口の維持・増加、福祉施設、公園整備など、都市戦略と連動させる余地は大きいと考えます。


5.財政は本当に持続可能なのか

とはいえ、公営住宅というのは、基本的に収入よりも支出が多いのが一般的です。

現在の市営住宅の収支状況は

  • 年間収入:約20億円
  • 年間支出:約25億円

毎年約5億円の赤字構造です。

ここに大規模修繕が加われば、さらに負担は拡大します。

県営住宅を引き受ければ、単年度では赤字になる可能性が高い。しかし、

  • 建替え集約
  • 余剰地売却
  • 用途転換

これらを組み合わせれば、累積では黒字化できる構造をつくることは可能ではないか。

私はこの可能性を検討すべきだと提起しました。


6.大阪府・門真市の先行事例

こうは言っても事例はないんじゃないのか。

という疑問が浮かんだ方もいらっしゃると思うのですが、実はこれは大阪府ではやっていることなんです。

大阪府では、

  • 門真市
  • 大東市
  • 池田市
  • 大阪市

などが府営住宅の移管を実施しています。

特に門真市では、

  • 無償譲渡
  • 全団地移管
  • 起債償還は市負担

という条件のもと、主体的に用途転換・売却を行い、
令和40年度までに累計60億円超の黒字見込みという試算を出しています。

地価水準の高い西宮市であれば、さらに大きな効果が見込める可能性もあります。


7.再質問で引き出した県への正式確認

当局の当初答弁は、

「長期計画の中で研究する」

という慎重姿勢でした。

しかし私はこう申し上げました。

市が内部で条件を検討しても、県の条件と乖離していれば時間の無駄になる。
まず大阪府と同様のスキームで可能かどうかを県に確認すべきではないか。

再質問の結果、副市長から、

「大阪府で実現している条件も含め、県の考えを確認する」

との答弁を引き出しました。

これは大きな前進です。

あとは、正式な文書照会を行い、期限を区切って回答を求め、
議会と市民に結果を共有することが重要です。


8.公営住宅の未来をどう描くか

県営住宅の移管は、兵庫県下では前例のない挑戦です。

しかし、

  • 住宅セーフティーネットの公平性
  • 都市再生戦略との連動
  • 財政持続可能性

これらを同時に考えるなら、避けて通れないテーマだと考えます。

公営住宅は「住める人」と「住めない人」で支援格差が大きい制度です。
だからこそ、市が公営住宅の全体を把握し、政策決定を一元化する意義は極めて大きいと考えています。

今後、大阪の先行市へのヒアリングも含め、具体的条件を整理しながら議論を深めつつ、住宅セーフティーネットを守りながら、魅力あるまちづくりを前に進める。

その両立を目指し、引き続き取り組んでいきたいと思います!

最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA