多世代近居と祖父母在宅育児支援の提案 令和7年9月 一般質問②

こんにちは。

西宮市議会議員の坂本龍佑です。

今回は令和7年9月の一般質問のうち、多世代近居と祖父母育児支援金の創設に関する質問です。

「多世代近居」 つまり、祖父母と子供、孫が近くに住むことを推奨する。

「祖父母育児支援金」 つまり、祖父母が孫のお世話をする場合に、行政が支援をする。

そういう枠組みの提案です。

目次

1.保育1人あたり年間200万円という現実

2.祖父母が孫を育てる場合、3万円を給付するという提案

3.当局答弁「公費負担は減らない」

4.そのロジックは本当に正しいのか

5.多世代近居がもたらす本当の価値

6.なぜ“努力している家庭”が報われないのか

7.自助と共助が誇れる社会へ


1.保育1人あたり年間200万円という現実

まず、女性の社会進出に伴い、待機児童の問題や保育料の問題などが、様々なところで議論されるようになっていますが、どれぐらいの税金が投入されているかご存知でしょうか?

  • 0〜2歳児1人あたり年間公費:約200万円
  • 市の一般財源負担:約50万円
  • 月換算:約4万円(市負担分)

子育て支援は重要です。しかし同時に、財政の持続可能性や保育所に子供を預けず、自宅で子供を見ている場合には公的なサービスを受けることができないという問題があります。


2.祖父母が孫を育てる場合、3万円を給付するという提案

そこで、今回提案したのが、

祖父母が在宅で孫を育てる場合に月3万円を給付する。

というものです。

年間36万円。市負担(月4万円)より低い水準です。

要は、子供が保育所ではなく、祖父母が見るようになれば、市の財政負担も軽くなり、祖父母も支援金が受け取れるということです。

さらに、

  • 待機児童対策
  • 祖父母の生きがい創出
  • 家族の結束強化
  • 孤独防止

といった効果も期待できます。


3.当局答弁「公費負担は減らない」

この提案に対し、当局は次のように答弁しました。

待機児童がいる状況では、空き枠に待機児童が入るため公費負担は変わらない。その上で支援金が新たに発生する。

つまり「財政は軽くならない」という見解です。


4.そのロジックは本当に正しいのか

私は再質問しました。

待機児童は本来ゼロであるべき存在です。市長公約でも掲げています。

仮に50人の待機児童が祖父母育児を選択した場合、支援金は約1,800万円。

しかし、その50人は本来保育所に入る対象であり、一人当たり年間200万円の公費が必要な存在です。

「今は入っていないから公費はかかっていない」という前提で政策評価をすることは、本当に待機児童問題を解消するつもりがあるのかを疑う答弁です。


5.多世代近居がもたらす本当の価値

今回の提案の根幹は支援金だけではなく、多世代近居の促進です。

例えば、神戸市では住宅取得補助により三世代近居を後押ししています。

三世代が近くに住めば、次のような効果が期待できます。

  • 子育てを家族で支えられる
  • 介護を家族で補える
  • 高齢者の孤立が減る
  • 地域参加が増える

当局も「公費負担軽減につながる可能性がある」と認めました。

しかし結論は「研究する」ということでした。


6.なぜ“努力している家庭”が報われないのか

現在の制度では、

  • 保育所を利用する家庭は公費で支援
  • 祖父母に見てもらう家庭は支援なし

自助・共助で努力する家庭が報われない構造になっています。

昨今、保育料の負担軽減に対しては大いに賛同するところです。

しかし、自宅で子供を育てることで、行政サービスを利用しなければ損に見える社会は、健全と言えるのでしょうか。


7.自助と共助が誇れる社会へ

私は公助を否定しているのではありません。

公助を守るためにこそ、自助と共助を強くする制度設計が必要です。

祖父母に預けるという選択は、

  • 家族を信頼する選択
  • 世代をつなぐ選択
  • 地域を強くする選択

それが何も評価されない社会でよいのでしょうか。

行政が担うべきサービスを無償化していくことは、その税負担が可視化されなくなることでもあります。

自助、共助、公助という当たり前の順番が、公助を受けるのが当たり前という世の中に変わっていっているように感じています。

自助、共助が報われる世の中を作るために、新しい制度を作っていくべきだと感じた質問でした。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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