1.3億円をドブに捨てた!?「内部経費適正化によるコスト削減支援業務の成果について」

こんにちは。

5/10の総務常任委員会で報告されました内部経費適正化によるコスト削減支援業務について報告したいと思います。

1.3億円をドブに捨てた!?については、順を追って説明していきたいと思います。

  1. 内部経費適正化によるコスト削減支援業務ってなに?
  2. 令和5年6月議会での提案について
  3. 令和5年6月議会での審議の争点について
  4. 今回の報告事項について
  5. なにが問題なのか!?
  6. どうすれば、この事業を成功にできるのか

内部経費適正化によるコスト削減支援業務ってなに?

まずは、これですね。

要するに、経常的にかかる経費(毎年必ずかかってくるお金)である「清掃業務」「建物管理業務」「警備業務」「除草業務」みたいなものについて、コンサルを入れることによってコスト削減を図ろう。

というのが、この長い名称の趣旨です。

そして、昨年の6月議会の補正予算で、この事業をするために、3000万円の委託費と4億円の債務負担行為(令和6年度に支払う可能性のある上限額)が審議されました。

令和5年6月議会での提案について

その際の資料は次のとおりです。

内容を下記に抜粋します。

経常的な内部経費について、行政サービスの水準を維持しながら更なるコスト削減を図るため、内部経費の適正化によるコスト削減を実施する。なお、事業者の能力・知見を活用するため公募型プロポーザルを実施するとともに、成果連動型民間委託方式を採用する。

1.事業の概要
西宮市が提供する契約書・仕様書等に係る、契約内容の分析、コスト削減策の企画立案、コスト削減に向けた具体的活動支援を行う。
(1)見直しの対象となる経費(約80億円程度)
・委託料(施設管理、清掃、警備など)
・使用料及び賃借料(情報システム)
・消耗品費
・その他(受託者の提案等により本市が選定するもの)
(2)その他
・ノウハウ移管のための職員研修等の実施

2.委託料の削減目標額:年間8億円
・この削減額の50%以内を成果報酬として支払う(上限は4億円まで。)。
・事業者へのヒアリングの結果、本市の削減見込み額約8億円と算定。

3.スケジュール(案)
・令和5年7月:事業者選定(公募型プロポーザルにより選定)
・令和5年8月:委託業務契約締結⇒コスト削減支援業務開始
・令和6年3月:コスト削減支援業務終了
・令和6年4月~6月頃:成果連動支払額算定⇒最終報告書の提出

4.委託金額
・固定費:3000万円
・成果連動支払額 成果の50%(上限額4億円)

令和5年6月議会での審議の争点について

この議案が上がってきた時に、私はこう思いました。

「全国的に事例が少ない」「ここまでの規模でやった事例はない」

「サービスの質を下げたことの実績の対価支払いにならないか」

「金額を落としたことで、質が下がった結果、市民からのクレームにつながり、再度金額を上げることにならないか」

「アフターサービスはどうなるのか」

「継続していける事業なのか」

「様々な議員がこれまで提案した行財政改革に耳を貸さずに、コンサルには高額の費用を支払うのか」

ただ、総論として賛成しました。

賛成した理由について、議会で述べたわけではありませんが、

「市として経常経費の高さに対して問題意識を持ち、賛否が分かれそうな新しい取り組みにチャレンジする気持ちを応援したい」

私個人としては、この新しい取り組みに対する応援という気持ちが強かったです。

市役所という組織は、どうしても他市の取り組みの成功事例を見習ってやるという二番煎じになりがちです。

それ自体は悪いことではないのでしょうが、失敗を恐れず挑戦する心はどんな仕事においても大切です。

そういう意味で賛成をしたというところです。

議会全体の賛否としましては、共産党と無所属の3人の議員を除き、賛成多数で可決されましたが、反対すべきか様々なところで、悩みの声を聞いていたのは確かです。

今回の報告事項について

さて、お待たせしました。

今回の報告事項です。

資料はこちら!

1 見直し対象事業について
・委託料(施設管理、清掃、警備、など)
・使用料及び賃借料(情報システム)
・消耗品費 など
2 事業見直し前の想定効果額について
当初(想定)
見直し対象事業費 約80億円→約10億円
想定効果額 約8億円→2~3億円

と当初想定していたよりかなり規模が縮小されました。

そして、様々な事業が見直された結果、削減効果が2億870万6000円出たので、委託金額が2970万円、成果連動支払額が1億435万3000円ということで、合計して約1.3億円を支払うことになりました。ということです。

なにが問題なのか!?

効果が出たんだったら、いいじゃないか。というところなのですが、何を問題視しているかというと、5ページ目です。

業務として、見直しがあったのは、放置自転車、健康ポイント事業、公園除草、建物清掃、昇降機保守などです。

そこについては、何の問題もないのですが、見直し内容を見てみるとほぼ全ての事業において、回数や頻度を減少させることで、委託額を減少させているのです。

つまり、他市と比較して、過剰気味になっているサービスを見直したことによる効果だったということです。

いやそれってわざわざボストンコンサルティングに高いお金払ってやることなんか!?

これが一番言いたいのです。

他市と比較して、サービスが過剰になっていないか。

これはまず一番初めに役所として見直すべきことです。

それを怠り、議員からの指摘にもあまり耳を貸さず、市民サービスの低下をしたことをコンサル料としてその効果額の半分を支払うというのは、正直理解に苦しみます。

また、昇降機保守については、契約年数を1年から5年にすること等で、契約金額が60%程度になっています。

いやこれぐらい思い付いてくれよ。。

とも思います。

もちろん2億円の効果が出たわけですから、1.3億円払っても、来年以降は経常的に、2億円のコスト削減になります。

しかし、このレベルの低さには、正直呆れました。

ただ、議会がこの支払いを仮に否決したとしても、契約時に債務負担行為をしている以上、債務不履行となり、支払い義務が生じる可能性が高いことから、否決することのハードルは非常に高いと感じております。

一方で、私自身はこの事業を成功にしていける可能性もあると考えております。

それはこれからにかかっているのです。

どうすれば、この事業を成功にできるのか

先ほどの資料の最後のページにあるのですが、この事業を評価できる可能性があるとすれば、これからです。

今回、コンサルによって事業の見直し方を学ぶことができたはずです。

このノウハウを活かし、経常的にかかっている経費の80億円をこの数年で見直し、効果額が2億、3億、5億とでてくれば、この1.3億円は有意義なものになります。

しかし、結局そのノウハウを学んだものを生かせずに、これからの行政運営をされるのであれば、本当に馬鹿馬鹿しい税金の使い道だなと思います。

そう言う意味でも、研修の中に今回のノウハウを入れることや、予算査定の際に、無駄を発見することができるようになることを期待したいと思います。

今回やったのは、シンプルな市民サービスの低下ですが、やっぱり費用対効果が小さいと感じたものについては、積極的に見直すことは何の問題もありません。

また、なぜこのようなコンサルに指摘されないとできなかったのかということを市はよくよく考えなければなりません。

知見・ノウハウがなかった。自治体比較ができていなかった。

そういうことを答弁されました。

しかし、これができなかった理由については、「やっても評価されないから」これに尽きると思うのです。

考えてみてください。

ボストンコンサルティングは、この取り組みをすることで、1.3億円を手にします。

しかし、市の職員は仮に成果を出したとしても評価されるわけでもない。

となると、わざわざそのコストダウンをするために、予算がちゃんとついているのに、他市の事例を調べたり、無駄を見つけようと努力したりするでしょうか。

それに対して、「評価する仕組みを持つことによってモチベーションを上げる」ことは間違いなく有効な手段だと感じます。

そういった人事面での評価を変えることで、職員がモチベーションをあげて働く仕組みはやっぱり必要だと思うばかりです。

ということで今日はこの辺で。

ボスコンに負けない成果を出しても、議員報酬は減らされるというのは悲しいもんですが、めげずに一生懸命やっていこうと思います。

最後まで読んでいただいてありがとうございました!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA