学校給食における米飯給食の推進について 令和5年12月定例会 一般質問①

今回は、令和5年12月に行いました一般質問のご報告です。

「学校給食における米飯給食の推進について」ということで質問しましたが、要は給食でパンよりもお米を食べませんか?ということです。

動画派の方はYoutubeをご覧ください。

時間がなくて、前提を飛ばしたい方はこちら!

まず、現在西宮市の給食で、ご飯が何回、パンが何回出ているかご存知でしょうか。

世代によっても差がありますが、私の子どもの頃の感覚では、パンの方が多かったよなーという感じでした。

現在、西宮市ではご飯が3回出ています。

それを聞いて、ふーん。まあそんなもんなのかなぐらいに思っていたわけです。

そんなある日、こんなニュースが流れてきました。

海外から輸入する小麦の値段が高騰している!これによって、パン屋さん、ラーメン屋さんなどは値段への転嫁が余儀なくされております。

燃料高やロシアのウクライナ侵攻、円安など様々な要因がありますが、小麦の値段が上がって大変だという話です。

経済安全保障についての議論が多くされる中、一方で食料安全保障についても叫ばれていました。

日本は食糧受給率が低く、他国からの輸入に対する依存度が高い。そのため、自由経済が基本とされているものの、いざという時の食料の確保は大きな課題である。

確かにそうだよな。

ロシア、ウクライナをはじめ、イスラエル、パレスチナ。中国と香港、台湾。韓国と北朝鮮。

いつ紛争が起こって、自由経済の原則が脅かされるかわからない状況で、食料を自国で賄う体制は、国策として必要だよな。と。

一方で、日本では減反政策と呼ばれる、米の生産を抑制するような政策がありました。

減反政策については、詳しくはリンクから

しかも調べていると、日本人一人当たりの米の消費量は大きく減少しているのです。

昭和37年度に118.3kgだった消費量が、令和3年度に51.5kgです。半分以下ですね。

多様な食を求めるようになった一方で、国内生産率がほぼ100%である米を食べる国民が減少し、農家は高齢化していく。後継がいなくなり、廃業することで更に米農家は減少していく。

これはまずい。

ん?なのになんで給食でわざわざパン食べているんだ?ご飯を食べるべきだろう。

これが今回の一般質問の出発点です。

ただ、私は元々農業、食糧関係の政策に全く詳しくなかったものですから、様々な文献を見て、米とパンの関係について勉強しました。

中でも一番参考になったのが、このリンクです。多分基本中の基本なんですが、知らなかったことも多くて。

小麦とご飯の価格差。補助金。国産小麦と輸入小麦についても含めて、非常に勉強になりました。

そして、それらを踏まえて、一般質問に臨みました。

まず、米飯給食の推進について、文部科学省や農林水産省は、平成21年に次のような通知を出しております。

資料にあるように、できるだけ実施回数を増やすように目標設定をして、米飯給食を推進していこうというものです。

もう平成21年の時点で、こういう通知が出ているのに、なかなか進まないんですね。

というのも、基本的に、給食が市町村によって実施されているので、その自治体によって給食の内容が様々だからです。

実際に、近隣他市の実施回数を調べてみると、下の資料のように、他の市では週に4回になっていたり、週に5回になっていたりします。

そこで、週に5回の米飯給食を実施している川西市に話を伺い、どうやってそれを実現したのか伺ってきました。

そうすると、平成11年の時点では、週に1回のみだったのに、たった11年間で週5回の米飯給食を実現しております。

やっぱり、地方自治が本気で力を入れたら、実現できるものなんですね。

なぜ週5回に増加させたか伺うと、

・子供たちの心身の成長
・パンに合う食料が油や脂質を含むことが多く、小児生活習慣病の原因となっていること
・食料の安全需給と農地の保護

ということで、西宮市と何ら変わらない状況でも、こうやって実現できるのだと感じました。

また、食育という観点においても、月に2回のパン食の際に、川西市産のジャムを使用することで、食の多様性が感じられ、地産地消となっていることがわかりました。

また、パンとご飯の価格差についても、調査したところ、平成30年度の時点では、小学生の一食当たりの単価は、パンが47円~51円に対し、米飯が58円と7円~11円程度の価格差がありました。
しかし、近年の小麦価格の上昇も相まって、令和4年度には一食当たりの単価は決算ベースで、どちらも64円台となっており、ほぼ同じ価格となっておりました。

ただ、上の表のとおり、自校で炊飯設備を持ち、お米を提供した場合、そのコストは格段に下がり、23円程度となるため、大きな価格的なメリットが出ることも同時にわかりました。

ただ、現在の西宮市には、約40000食ほどの給食が必要ですが、業者で賄えるのは、最大22000食であるため、すぐに米飯給食を拡大していくことは難しいということも同時にわかりました。

そのため、少しずつでも自校炊飯の設備を校内に拡充させていくことで、米飯給食の拡大をしていくことが望ましいと考え、質問しました。

質問①
米飯給食を進めることについて市のお考えをお聞かせください。

市の回答
米飯給食については、国からの通知にあるように進めていくべきであると考えている。

質問②
今すぐに完全米飯給食を実現することは難しいが、5年10年といった中長期的に実現していくことについてお考えをお聞かせください。

市の回答
完全米飯給食の実現は考えておらず、週4回のお米、週1回のパンということが、理想であると考えている。

質問③
自校炊飯を進めることは、長期的なコストの低下が期待できると思いますが、導入についてのお考えをお聞かせください。

市の回答
自校炊飯は低廉な献立価格実現の有効な手段だが、機器整備や工事費増加が見込まれる。費用対効果を考慮しつつ、来年度末までに全給食室を調査し実現可能な学校の洗い出しを行う。

再質問も含めての答弁となりましたが、ベストではないですが、ベターな回答は得られたように感じております。

まず、質問①、②については、当然ですが、米飯給食を拡大していこうという質問です。

その中で、週5回を目指すべきだという主張のこちらの質問に対して、理想としては4回で、週に1回はパン食を残すべきだという回答がありました。

週に1回と月に2回でどれだけ変わるんだと言う話でもありますが、国からの通知は、完全米飯給食の実現を求めていないので、仕方ないかなと言う気もしていますが、ちょっと残念です。

ただ、現在、週に3回の米飯給食が週に4回になることが市としても理想だと明言したわけですから、それに向かって早期実現するように、これからも提言していきたいと思います。

また、もっと収穫だったのが、自校炊飯設備の導入について、来年度(2024年度末)までに全校の洗い出しを行うと明言したことです。

このことについては、過去にも他の議員が提案しておりましたが、コストメリットも含めて検討すれば、当然自校内に設備を作る方が望ましいと言うことは明白なわけですから、なんでもっと早く検討すると言わなかったのか不思議なぐらいです。

これについても、今後その検討結果について、積極的に提言していきたいと思います。

今回は、一般質問のうち、米飯給食についての報告をしました。

地方自治と若干関係ないことも含めての提案となりましたが、安全保障は国だけがやればいい課題ではなく、地方自治にもつながっています。

業者の保護や多様性ももちろん大事ですが、日本国として教育を提供以上、お米を食べて、食生活の基本となるところを確立させることを目指してもらいたいと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました!

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